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感想・書評「現代語訳・西鶴 西鶴諸国ばなし:暉峻康隆」ネタバレ注意・本来、お笑いにはユーモアと機知とセンスが必要なのです(レビュー)。 #読書


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『現代語訳・西鶴 西鶴諸国ばなし』(暉峻康隆)で上質な笑いを楽しもう

今や日本の笑いは内輪ネタで盛り上がって馬鹿騒ぎをするかと思えば、コメンテーターとしてしたり顔で説教を垂れるお笑い芸人に牛耳られています。本来、お笑いにはユーモアと機知とセンスが必要なのです。そのことを実感させてくれるのが『現代語訳・西鶴 西鶴諸国ばなし』です。

『宇治拾遺物語』や『今昔物語集』に始まる説話集の伝統を引きながらも、人々に身近な話題でクスリと笑える物語が豊富に収められています。説話=説教くさいと思われがちですが、『西鶴諸国ばなし』は教訓を目的にしたものではなく、読者に笑いを提供する作品ですから、説教くささは全くありません。しかも、訳者の暉峻康隆氏の現代語訳は『西鶴諸国ばなし』を江戸時代の古典文学とは感じさせないほど、巧みなものになっています。そして、『西鶴諸国ばなし』は落語的な笑い・故事をふまえた教養のある笑いで満ち溢れています。現代のくだらないお笑いに嫌気が差したなら、この本を手にとって上質な笑いの世界に身を投じてみることをオススメします。