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感想・書評「汗血千里の駒:坂崎紫瀾」ネタバレ注意・坂本龍馬を扱ったはじめての小説なのです(レビュー)。 #読書


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『汗血千里の駒』(坂崎紫瀾):坂本龍馬の物語はここから始まった

歴史小説・漫画・大河ドラマと幅広いジャンルの主人公になる坂本龍馬。日本人が好きな偉人のトップ3に入ることも多く、日本人が憧れる偉人でもあります。そんな坂本龍馬を扱った小説は司馬遼太郎『竜馬がゆく』が最初と思われていますが、実は明治時代に書かれた『汗血千里の駒』が坂本龍馬を扱ったはじめての小説なのです。

明治時代の新聞小説なだけあって、文体は独特の講談調ですし、時々坂本龍馬の周辺人物に視点が移ったりして、今の小説とは全く違う印象を持つと思います。しかし、全64回分の文章は1回で綺麗に完結しており、長編小説を読むというよりは短編小説をいくつも読んでいる感じに近い気がして、コツコツと読み進めることができます。しかも、書かれている内容は私達が知る坂本龍馬の活躍とほぼ同じですので、内容が分からないことはありません。身分や藩の枠組みを超え、いくつもの苦難を乗り越えて新時代を作ろうとした男の生き様が見事に記されています。読んでいくうちに、明治時代の小説が私達の坂本龍馬に対するイメージの根底になっていることに驚くと思います。坂本龍馬ファンであればぜひ一読してほしい小説です。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』と比較してみても面白いと思います。