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感想・書評『恋する寄生虫:三秋縋』ネタバレ注意「物語は、ある理由で失業している高坂賢吾という青年が不登校の佐薙聖(さなぎひじり)と」(レビュー)。 #読書


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「恋する寄生虫」三秋縋:ただの恋愛小説かと思いきや…

「恋する寄生虫」というタイトルを書店で初めて見た時私は「アニサキスとかギョウ虫とかが恋する話なんて誰が読むんだ?」と思い、タイトルのインパクトとこの本の作者である三秋縋(みあきすがる)氏は彼がインターネット上で「げんふうけい」として活動していた時からずっとファンで、彼の作品は全て読みたいというファン心からまんまと購入してしまった。
物語は、ある理由で失業している高坂賢吾という青年が不登校の佐薙聖(さなぎひじり)という女子高生と友達になるよう依頼されるところから始まる。
初めはギクシャクしていた2人だがお互いの秘密を知ってだんだんと打ち解けていき、社会復帰のためにリハビリを一緒にしていくうちに惹かれあい、恋に落ちる。しかしその恋が、寄生虫が操っていたことによってもたらされたものだと2人は知らずにいた。
私は、高坂賢吾という青年が母親との出来事が原因で重度の潔癖症になってしまい、仕事が続かず会社を転々とするところがとても興味深いと思った。私自身、10代の頃に母親とすったもんだあった末に軽度の潔癖症になってしまったからだ。
それから白金の髪色に太ももをさらけ出した丈のスカートという風貌の佐薙聖に対して、はじめは親に甘やかされている不良なのかと思っていたら、彼女にもまた理由があって不登校なのだと知って抱きしめたくなった。
潔癖症の青年と不良っぽい見た目の不登校の女子高生という絶対に相容れないと思われた2人がお互いの弱みを知り、尊重しあい、2人でリハビリをしていくうちに恋に落ちていくところがとてもよかった。はじめは仲良くなれないと思っていた人ほど一生ものの友人になったり、生涯の伴侶になったりする。私の夫や一番の友人がそうだ。
私はこの本を読んで恋がしたくなった。
曖昧で、儚くて、フワフワした気持ちなんて、結婚してからはそう抱けるものじゃない。
でも、結婚した今だからこそ夫と2人でそんな関係を築いていきたい。
今日は夫と息子と3人でくっついて眠ることにしようと思う。