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感想・書評『覆面作家は二人いる:北村薫著』ネタバレ注意「お嬢様と編集者が織り成すドタバタミステリー」(レビュー)。 #読書


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覆面作家は二人いる 北村薫著:お嬢様と編集者が織り成すドタバタミステリー

小説界の重鎮、北村薫さんの作品です。
絵に書いたような箱入り娘のお嬢様と、雑誌の編集者のコンビが華麗に身近な事件を解決していく、オムニバス形式の小説です。
あまりミステリー要素が多すぎず、コミカルなキャラクタ描写をメインにしてあるので、ミステリーが苦手だったり、小説が苦手な人でも楽しんで次々読めるような作品です。
お嬢様が実は二重人格で、がさつなキャラに変わる瞬間も面白いです。
少し時代背景の古さは感じられますが、トリックは今でもあるような感じで、とっつきやすいのにしっかり伏線を回収してありさすがだと思います。
同じ筆者の「ターン」という作品を読んだことがあるんですが、そちらとの登場人物の書き分け、ストーリー運びの軽快さ(ターンは逆に文の重みを大事にした作品です。)が、同じ人が書いたとは思えず、驚きました。
この軽快なミステリーは、はやみねかおるが書くジュブナイル向けのミステリーにすごく近くて、大人でも子供でも楽しめる奥が深い作品に仕上がっています。