日本を代表する古典をじっくり読み込む:『要説 土佐日記』(日榮社)
古文の授業で必ず習う『土佐日記』。紀貫之が女性の身になって書き残した『土佐日記』は、歌物語・日記文学の代表作として、国内外で高い評価を受けています。
『要説 土佐日記』は『土佐日記』全文を収め、原文と現代語訳、そして語注や文法的な解説を載せた1冊となっています。いわゆる教科書準拠の参考書なので、中学生・高校生の学習参考書として最適なのはもちろんですが、大人が単なる読み物として読んでも興味深く読むことができます。現代語訳が原文対照で載っているので、古文の知識がない人でもスラスラ読めて、『土佐日記』の世界を味わうことができます。現代作家の漫画や現代語訳では微妙に『土佐日記』を改変したりしていますが、本書は教科書準拠ですから、下手な改変はありません。『土佐日記』そのものとじっくり向き合えるのです。そして、本書のもう一つの魅力は1,000円でお釣りがくるというリーズナブルな価格。今時、1,000円でお釣りが出る本はほとんどありません。コスパ最強の1冊に違いありません。