こころの処方箋(河合隼雄・著)
人間の心の動きとは何だろうか?日々そんなことを頭の片隅に置きながら生活しています。心理学系の本には興味はありますが、個人的に「うさんくさい」と感じてしまうものも多いため、あまり読んでいません。
この本は、ずっと前に買って本棚の奥に入れていて、普段はその存在を忘れていますが、心に深い悩みが生じたとき、ふと読みたくなります。
先日も久しぶりに読み返したところ、いろいろ感嘆しながらうなずくところがありました。
この本には、いわゆる「常識」が載っています。目新しいところはあまりない、と言ってしまっても過言ではないと思います。しかし、その「常識」が、悩みを抱えた心にすっと風穴を開けてくれるのです。著者の河合隼雄さんに生前お会いしてみたかったとも感じます。
「なぜ、こんなにおろかなことをしてしまうのだろう?」「なぜか生きづらい……」と強く感じるとき、まさに「処方箋」となってくれる1冊です。読むお薬として、今後も本棚に忍ばせておきたい本でした。