ナカノ実験室

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感想・書評・奇跡の指導法 藤重住久著。勝ち負けよりも感動を伝える大切さ。ネタバレ注意(レビュー)。 #読書


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著者は「吹奏楽のカリスマ」とも呼ばれる音楽教師。長年勤めた福岡県の女子高では、吹奏楽で全国大会金賞10回、マーチングでも全国大会金賞16回獲得。その後、長崎県の女子高に赴任し、初年度から吹奏楽の全国大会へ導きます。

本書は著者の指導法を紹介するが、それらは魔法などではない。音楽とは、何より自分を表現するためのもの。表現の始まりは「意思表示」ゆえに、日常の返事や受け答えを重視する。その表現力を育てるためにも、吹奏楽の曲に歌詞をつけさせて自分の声で歌わせる。そして、生徒同士で教え合う文化をつくる。それが皆をどんどん上達させ、「秘伝のタレ」のようにバンド独自の味を醸し出していく。「トップバンドは凡事徹底」。練習見学の全国行脚の末、著者は指導法を改めたという。整理整頓、言葉遣い、時間管理と音楽指導以上に生活指導を徹底し、人間性を高めれば音楽の質も高まるのだ。「コンクールの勝ち負けでは、音楽の楽しさや感動を伝えることはできません。音楽の本来の目的は、聞く人に感動を与えること」とも。いかに楽しく、若者が自ら目標を立てて喜んで頑張れるようになるか。大人して心を砕くべき勘所満載の一冊です。