ナカノ実験室

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感想・書評「コーヒーが冷めないうちに」(川口俊和):「4回泣ける」と書かれた帯に惹かれて読んでみたネタバレ注意(レビュー)。 #読書


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過去に戻れるという喫茶店で起きる奇跡の物語…と非現実的な設定にも関わらず本の内容に引き込まれました。それは、登場する人物たちの心理描写がすごく細かく書いているからだと思います。この小説は、4人の女性が主人公となり、それぞれの物語が描かれています。

特に2つ目の話は、病気で記憶を無くしていく夫とその妻の話ですが、妻が過去に戻って記憶を失う前の夫に会い、病気は良くなっていると嘘をつくシーンがあります。ここは涙が止まらないくらい感動したお気に入りのシーンです。妻が過去で会った夫に対して、話している言葉とその時の気持ちが交互に描かれていて、その映像がはっきりと浮かんできました。それくらい、描写が丁寧だと思いました。また、この本の面白いところは、過去に戻ったとしても、未来・現実は変えることができないというルールがあるにもかかわらず、過去に戻るところです。「変えられないのに何をしに過去に行くのか?」と思って読み始めましたが、1つ1つの話を読み終えて初めて、4人の女性が過去に戻って、得たものの意味を知ることになりました。「4回泣ける」と本の帯にありましたが、本当に泣けてびっくりしました。