久しぶりに東野圭吾の本を見つけたので買ってしまいました。
帯に書いてある言葉「君は科学の楽しさを知らない。この世は謎に満ちている」
そんなセリフを見てしまって買ってしまったのですが、今までにも東野圭吾の本は何冊か産んだことのあるんですが、今イチ読み終わって面白かったと感じた本は少なく、 「麒麟の翼」や「マスカレードホテル」などは、その中でも数少ない面白かった本です。
「真夏の方程式」の出だし部分で、少年が列車に乗って地方の親戚の家に行く場面が出てきます。
実はこの導入部分が、 私にこの本を買わせたポイントでした。
列車の中で主人公の少年が、学者湯川と知らず知らずのうちに知り合ってしまった、そこから少年と湯川博士の真夏の事件が展開していくのです。。
特別ワクワクしたり、ミステリーを覚えたり、痛快なアクションがあったり、 ラブロマンスが出たり といった、 内容の本ではないのですが、主人公の湯川のあくまでもクールな発想の中に、少年のことを思いやるそんな心の描写が上手く描かれて、冷たいだけの科学者のイメージを持つ湯川を上手く描いています。
また美しい海を守る少年のいとこにあたる女性と湯川の絡みや、女性の過去の秘密と、少年が背負って行けなければいけない罪の意識が湯川に乗って 和らいで行くさまが素敵な本です。