ナカノ実験室

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感想・書評【雨と詩人と落花と】葉室麟 歴史小説です。ネタバレ注意「天領の豊後肥田、私塾咸宜園の塾主である広瀬旭荘は二度目の妻・松子との日々」(レビュー)。 #読書


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昨年 逝去された 葉室麟先生の新刊です。
作家のふるさとが、舞台。
天領の豊後肥田、私塾咸宜園の塾主である広瀬旭荘は二度目の妻・松子との日々が綴られています。
生きていくのが下手な旭荘 すぐ頭に来てしまい 今の世ならDVとなって 離婚騒ぎなりますし、実際一番初めの妻には去らせてしまいます。
でも 松子は 旭荘本質の優しさを理解しようとして 側に居続けます。
子供も生まれ 旭荘は 大阪から江戸と移りますが いつも松子が側に居ます。
そんな 二人なのに松子は病魔に倒れてしまいます。
時は大塩平八郎の決起など、各地が騒然としている激動期の中心が揺れてしまいます。
儒者として漢詩人として、夫婦として 静かに 雨が降るように心に染み渡っていく作品です。
葉室先生は 病気であった中でも 名前の通り麟とされている作品を作り続けていました。
どの作品にも 人への惜しみ無い真っ直ぐな心を伝えて下さいました。
本当に逝去が残念で堪りません。