」で便利でお安く。「羊と鋼の森」で本屋大賞を受賞し、一気に知名度を上げた宮下奈都さんのエッセイ集です。
この本にも収録されていますが、化粧品会社ファンケルの情報誌でたまたま掲載されていた「育児ときれい」を何気なく読み、予期せず涙がドバドバと出てしまい、そんな自分にびっくりした記憶があります。
宮下さんの文章は私の涙腺をふいにものすごく刺激するので、少し構えておそるおそる読み進めましたが、一冊読み終えるまでにはずいぶん泣いてしまいました。幸せってこういうことなのかなと考えさせられるし、日常を地道に生きていくことに希望を見いだせたような気持ちになれます。
また、本屋大賞受賞前後の怒涛の日々についても率直につづられており、とても興味深かったです。子どもたちのキャラクターが、この母にしてこの子ありといったとっても素敵なお子さんばかりで微笑ましいです。
「左オーライ」というエピソードではつらい過去について明かしており、少し驚きました。年齢が上がるほど色々なものを抱えていかなければならないのでしょうが、また頑張って進んでいこうと思える素晴らしい一冊でした。
