」で便利でお安く。作家の井上荒野さんと江國香織さんが、こよなく愛する映画について対談形式で語る様子を綴った一冊です。
「いい女」とか「老人」「子供」などテーマ別になっているのも面白く、実に100作以上の作品について語っておられます。井上さんの小説は読んだことがなく、江國香織さんが好きなので手に取ってみたのですが、二人のオタクとも言える深い映画愛がひしひしと伝わってくる内容でした。私は映画はあまり数多く見ておらず、たまに見ても邦画かアメリカ映画がほとんどです。なのでこの本に登場するアメリカ以外の古い海外映画はほとんど知らないものばかりだったのですが、それでも十分に楽しめました。お二人ともプロの作家だけあって、物語を実に注意深く見ておられて、その鋭い視点はさすがです。「イージー・ライダー」や、映画ではなくドラマですが「刑事コロンボ」は近いうちに見ようと思いました。
お二人とも趣味嗜好がおそらく似ているので、とても話が弾んでいるのが本当にうらやましい。私もこういう友人が欲しいものです。ハートウォーミングな話が苦手とのことで、近頃ディズニー作品に惹かれている私とは真逆だったのも、またがらっと変わる視点を垣間見られて興味深かったです。
