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感想・書評『「対岸の彼女」角田光代:女性の友情を描いた直木賞受賞作』ネタバレ注意(レビュー)。 #読書


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角田光代さんは、2000年代以降の人気女性作家ですが、今作は直木賞を受賞しており、彼女の代表作となっています。作中のテーマとしては、青春時代も含めた女性同士の友情になっています。

女性作家の作品で主要な登場人物が皆、女性なのですが、男性の私でも十分に面白く読めました。冒頭では、幼い子供を持つ主婦の小夜子がパートの仕事を探すことになります。そして、そこで出会った楢橋葵という女性が話の大きな展開の中心となります。小夜子が主人公なのですが、読後の感想としては、楢橋葵の高校生時代の回想がとても印象に残ります。葵は回想で野口魚子という不思議な女性と、家出をすることになります。その展開がかなりドラマチックで、スリルもあり物語に引き込まれます。葵と魚子(ななこ)は家出の逃避行の末に、かなり驚く末路を迎えます。読んでいる方としては、2人とも結果的には生きているようで、かなり安堵しました。しかし話が現代に戻っても、魚子のその後は不明になっています。それにより読みながら、不思議な感覚を味わうことになりました。直木賞を取ったことが納得できる内容です。