」で便利でお安く。※こちらの記事は、在宅ワークで寄稿を募集した小説感想記事です。
冒険好きなら必読の「指輪物語」
ローマ帝国の進出により失われたもともとのイギリスの神話に代わるものを、と作者が意図して著したという話もあるこの物語、神話にふさわしく鍵となるのは「指輪」です。
かなりの長編ですから「今年の一冊」的な長期計画で読むことをお勧めします。難しい中つ国の歴史の話や場面背景の説明も多く、途中で投げ出してしまいたくなることもあると思います。そのあたりは深く考えたりせずに新しい主人公、フロドとその忠実な庭師サムの活躍に注目するといいかもしれません。あるいは映画のDVDと並行して楽しむのもいいかと思います。ただ物語と映画の人物の年齢設定などは違いますからそのあたりは目をつぶりましょう。どちらがいいかはお好みだと思います。
ちなみに私は原作のほうがいいと思いました。
この冒険物語も巻き込まれ型です。本人の意思とは関係なく立ち向かわなければならない羽目になるタイプです。そこがいいと思います。普段は大概の場合見過ごされているあるいは無視されている存在の「普通の人」が実は一番強かったという展開がなんとも言えず爽快なのです。それと同時に自信を持つことの大切さと危険さも示してくれるお話でもあります。自分にはできない、と思っていることもやらなければならないときにはやってみたらできることもあり、逆にできると思っていることも自信過剰から足元をすくわれることもあります。登場人物それぞれにおこることを通してそんなことが見えてくる気がします。
もともとそういう話ではないと思うので、魔法がでてくる物語が好きとかファンタジーが好きというタイプにはお勧めできません。私は最後の結末もとても理不尽だと思います。納得するには自分自身にもそれなりの人生経験が必要かもしれません。そういう点では現実味がある話ともいえるのではないでしょうか。
