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宝石の国3巻(市川春子)感想&あらすじ・未来の話で、過去に「人間が存在していた」と伝えられている…ネタバレ注意。 #マンガ


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感想

時代設定はかなり未来の話で、過去に「人間が存在していた」と伝えられている世界でのお話です。地上の生物たちは海の中で微小生物に食べられて無機物になり、長い年月をかけて宝石の体をもつ人間の形をした生物が生まれました。その宝石たちは自分たちを装飾品にしてやろうとする「月人」と呼ばれる、仏教の神様のように光り輝く者たちと戦うストーリーです。

無機物だからか、ものすごく寿命が長く、そもそもの死の概念がないという描写もあります。それぞれ性格も体の硬度も違い、一番年若い、といっても300歳ですがその子はもろく簡単に崩れてしまうようです。この作品でびっくりしたのは敵の存在がまるで仏像のような形であることです。普段は私たちの見方で結構身近にいる神様なのにこんなに人間ぽく欲望があり、そしてまるで人間のように「戦う」という描写には感動しました。こういう考え方もあるんですね、私欲のために戦う姿は人間のようで「愚かさ」というのを思いっきり感じさせられました。生き残りが28人しかいないそうで、本当は結託して種を守らなくてくてはならないはずなのに個体の性格の違いからいざこざが起こりやすいようです。イラストの繊細な感じがすごく宝石の儚さにマッチしていてとっても素敵です。この作者の作品は初めて読みましたが、好きになりました。