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感想・書評『友情。山中伸弥、平尾誠二・恵子 薯』ネタバレ注意「癌と闘って53歳で永眠した日本ラグビー界のレジェンドとIPS細胞研究の世界的権威」(レビュー)。 #読書


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友情。山中伸弥、平尾誠二・恵子 薯。

この本の副題は「平尾誠二と山中伸弥『最後の一年』」です。昨年の10月に、癌と闘って53歳で永眠した日本ラグビー界のレジェンドとIPS細胞研究の世界的権威でノーベル賞受賞者が、同い年の大人の男同士、家族ぐるみで育んだ友情がいかなるものだったか、平尾夫人・恵子氏へのインタビューも交えて描かれています。
「君の病気を治すことが出来なくて、本当にごめんなさい」と弔辞を述べた山中氏と、恵子氏の数々の証言が、二人の出会いから永訣までの6年余を物語っています。二人は雑誌の対談の仕事を機に、48歳の歳から気の置けない間柄となります。特に、「頑張る」の言葉を遺して逝った平尾氏の闘病生活と、それを献身的に支え、共に闘い抜いた山中氏の軌跡は、読むものを揺さぶらずにはおかない。ですが圧巻は、第3章、2人が出会った対談の未公開部分を含む再録です。神戸大ラグビー部のロックだっただった山中氏だったので平尾氏とすっかり意気投合しました。技術革新と論理観を巡る語らいも、リーダー論や人材育成への見識も、全て高レベルで示唆深いです。当初から肝胆相照らす2人でした。それだけに、喪失も大きかったです。稀有な友情に触れ、心が洗われる本書です。