あやかし〈妖怪〉時代小説傑作選 宮部みゆき 畠中恵 木内昇 小松エメル 霜島ケイ 折口真喜子
〈妖怪〉時代小説傑作選というタイトルに惹かれて手に取ってみました。書き下しかと思ったのですが、全て再収録みたいです。大御所の宮部みゆきさんと畠中恵さんのは既に読んでいます。霜島ケイさんが時代小説を書いていたのは知っていましたが読んだことがありませんし、小松エメルさんのうわんはタイトルは知っていたのですが読んでいませんので買ってみました。
霜島ケイさんのものは封殺鬼シリーズとは全く趣の違ったもので、意表をついた設定が面白くて文庫本を買ってしまいました。小松エメルさんのうわんは巻末の解説を読まずに読んだ時は何とも思わなかったのですが、解説に書いてあるのを読むとどこかでみたようなよくある設定で手塚治虫のどろろを思い出して興味がなくなってしまいました。よくある設定ということでは木内昇さんのもそうでした。読み始めてすぐネタバレしているというかオチがみえてしまうという少し残念な作品でした。折口真喜子さんのも好みでしょうがあやかし〈妖怪〉とは違うような気がしました。傑作選となっていたので編者の好みと合わなかっただけでしょうが、平成を代表する豪華女性陣というのはこの本に収録されていない他の女性作家に失礼なのではないかと、でももしかしらた大御所二人のことなのかな…などど本の作品とは関係のないことを思ってしまう本でした。