ナカノ実験室

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ひきだしにテラリウム全1巻(九井諒子)感想&あらすじ・1話完結のショートストーリーの短編集です…ネタバレ注意。


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一言感想

1話完結のショートストーリーの短編集です。星新一さんのように、1話1話訴えかけるようなメッセージ性のある感じかと思いきや、怖い感じがなく安心して読み進められる不思議さがいいです。

面白いところ。

全くと言っていいほど話は統一感がありませんが、第一話で鼻に、球体がついたピックのようなものを刺し意思疎通をはかる?という描写があり、それはこの単行本の最終話でも出てきます。あのピックはなんでしょう。気になります。

好きなところ

わかりにくい話があったりしますがじっくり読み返したり何度も考えたりするうちに謎が解けたりします。基本的にハッピーエンドが多いのが好きです。猫の話が多く出てくるところも好きです。その猫の絵もかなり細かく描いてあってとっても上手でかわいいです。

好きなキャラ。

「恋人カタログ」という話の社長令嬢のお嬢さんです。健気というか主人公もよく見ぬけたなと思います。女の人は良くも悪くも恋人や好きになった人、環境や気分によってまるで別人になれるのでその様子がとてもかわいらしく描かれているなと思います。最終的に彼女があんなふうになってしまってもきっとハッピーエンドなのだろうな、と勝手に幸せな気分になりました。

好きなエピソード。

「神のみぞ知る」という神様(猫)が出てくるお話です。村に謎の疫病が流行りその原因が神様だというのです。陰陽師に相談すると、かなりむごいことを言い渡され村人はそんなことをしたらたたりがあるのではと大騒ぎになります。しかし少しでも良いことがあればと決心し、村中で神様にあることをします。猫であればみんな嫌がることですが最後はすっきり解決し、村人もみんな幸せで最高にいいお話でした。

おすすめ。

表裏ともに細かく登場人物たちが描きこまれています。それから一度読んだだけではわからなかった描写もあるのでじっくり読んでまた読み返すことをおすすめします。

作品に関する思い出。

書店に1冊しかありませんでしたがかなりカラフルで目をひいていました。この作品は2013年の第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しているそうで納得の面白さでした。

作者に関して。

こんなにテイストの違う話をたくさん描けるなんて本当にすごいです。恋愛やグルメ、SFや政治的なことなど、ラストが気になるような終わり方をしているものもあってこの話を考えた人は本当に天才だな!と何度も思いました。

その他。

続編が出るかは全くわかりませんが出るとしたら本当に楽しみです。他の作品も出版されているのでそちらも読んでみようと思います。