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お早よう(小津安二郎監督)映画感想・昭和30年代の日本、高度経済成長期に向かい静かに活気付く日本…(ネタバレ注意)。


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お早よう (おはよう) - 小津安二郎監督

ふと昔の日本の映画が観たくなり、小津安二郎監督の『お早よう』を観ました。

こういう古い邦画を急に観たくなることはよくあるのですが、昔は「小津と黒澤」であれば「黒澤」を選んでいたところ、今回は迷いなく「小津」を選択。

小津監督の作品では「東京物語」「晩春」なんかも大好きなのですが、共通点は “観ていると心が落ち着く” “疲れが癒される” という点。

笠智衆さんを始めとする小津ファミリーも好きですし、何よりも小津作品ならではの「低い位置からの固定カメラ」の安定感が心地よくて。なぜだか、物凄く安心するんですよね。

それから、昔の日本人の上品な言葉遣い。

「どうぞ、ごきげんよろしゅう」
「そんな事おっしゃらないで。さ、お母さま」

ああ、真似したい(*´∇`*)美しい。

『お早よう』はモノクロではなくカラーの作品なので、家具や小物の色使いなど、小津監督の色彩へのこだわりも存分に堪能できます。

昭和30年代の日本、高度経済成長期に向かい静かに活気付く日本。

縁側で歯ブラシの物売りに困る母親や、お揃いのセーターを着て机に並ぶ兄弟の姿を見ていると、私の祖母や父も昔はこんな感じだったのかな?と想像してしまいます。

ご近所の意地悪な奥さん役を演じる、杉村春子さんの「憎まれ役」も相変わらず素敵。笑

小津監督の作品の中では、どちらかというと地味な小品かと思いますが、それでも十分に楽しめる作品だと思います。