一言感想
本当に、子育ては親も学んで一緒に育てられるものなんだなと思いました。私は今第一子妊娠していてりんちゃんのようにしっかりものの子に育つ子なんて一握りですごく疲れるんだろうなと思いますが「苦労した」「手をやいた」とは言いたくないなとこの作品を読んで思いました。
面白いところ。
前半はきちんと育児漫画で、繊細なりんちゃんとはうらはらな複雑な家庭環境が見ていてとても辛くなります。まっすぐ育っていくりんちゃんと手探りながらきちんと守ろうとする大吉の姿が面白いです。これがシングルマザーだと違うんだろうなと思います。
好きなところ。
大吉の職場でのエピソードが好きです。みんなお父さんやお母さんで、周りを見渡すと誰かの親というのは多いという表現で少し肩の力が抜けました。きっとたくさん失敗をするんだろうな、でもみんな同じような失敗をしているんだなということが伝わってきてちょっとうるっとしてしまいました。
好きなキャラ。
鹿賀(かが)りんちゃんです。最初は6歳で本当に幼い子、という感じですが本当の家庭の環境を知っても憎んだりせず、きちんと成長していく芯の強さは本当にすごいと思います。最終話は思ってもいない形でしたが大吉以上に大事にしてくれる人なんて現れないでしょうし幸せになってほしいです。
好きなエピソード。
最終話です。娘と思っていたでしょうし、大吉がりんちゃんと子を作れるのだという展開にもなにか妙な違和感を覚えましたが実母の正子の立場だとすれば、娘が真剣に思っている人が育ての親なら安心はすると思います。ちゃんとその後、妻として扱う大吉をみてなんだかほっとしました。
おすすめ。
10巻の番外編も面白かったです。作者が「何があっても大吉は正子の事を許さないでしょうと」と書いてあり、そこは気になっていたところだったのでほっととしました。子供と生活できなくなるなんて拷問だと思います。
作品に関する思い出。
成人してから作品を知りました。当時はただの育児漫画だと思っていましたが、完結して全巻読みなおすとこんな結末になっていて驚きました。
作者に関して。
他作品の「よにんぐらし」で知りました。宇仁田さんの、家族の下手くそさというか、どうにかこうにか暮らしていく感じが好きです。