感想
表紙を見て、かっこいいなーと思って中学生の時に単行本を購入しました。花とゆめコミックスだったのでてっきり恋愛モノかと思っていましたがそんな要素はゼロで、ただただかっこよかったです。主人公はゼンという純粋に悪を楽しむ男で黒髪の端正な顔立ちなので、中高生で惹かれた人は多いのではないでしょうか。
極悪非道の限りを尽くす彼ですが、キャラが特に深く思案しないせいかテンポが良くてすっきりとまとまっていてすごーく面白いです。途中で出てくる盲目の少女に少し情があったようですがそこはなにかちょっと違和感でした。始終、本当に綺麗なイラストで惚れ惚れしてしまいます。戦闘シーンもどうやっているのかわかりやすく、動きをちゃんと描いてあって感動しました。この作品の後に「オトメン」を読むとかなり面喰いますが、この人のイラストの感じだとこういう「ルパン三世」のような、男くさいハードボイルドなストーリーが似合うと思いました。あのかっこいい表紙に花とゆめコミックスの帯が全然似合ってなくて読み返してみて笑いました。少々グロテスクなシーンもありますが全2巻で完結しているのですぐ読めるし、かなり引き込まれるのでスタイリッシュな作品を読みたい人にはイチオシです。