「くるみと七人の小人たち」の最終回
私が小学生だった頃、当時月刊少女漫画紙の2大巨塔のひとつだった、「なかよし」そこに連載されていた、「くるみと七人の小人たち」が好きでした。
私はどちらかというと「りぼん」派だったのですが、この漫画だけは好きで、毎月の発売日に妹と交換して読むのを楽しみにしていました。
ヒロインの相手役であるカイル王子が、当時一般的だった優男タイプではなく、王子様なのに口も目つきも悪いところが新鮮で、態度は大きいけどいざというときに頼りになるところがとても素敵に思えて、憧れたものでした。
本を読むのも好きだったので、グリム童話の中の世界が舞台という所ものめりこんだ要因の一つだと思います。
でも、一番思い入れが強いのは、何と言ってもそのラストです。グリム童話の世界のひずみを修正し、くるみは現代社会に、カイル王子は童話の世界にと離ればなれになり、お互いの記憶から消えてしまうという少女漫画にあるまじき、切ない終わり方だったのです。
くるみとカイル王子は結ばれると信じて疑わなかった私には衝撃的なラストでした。
思い返せば、万事がうまく行く訳ではないと学び、少しだけ成長した瞬間だったのかもしれません。