めぞん一刻の最終回、五代が墓前で語った言葉がとても感動的でした
新しくアパートの管理人として現れた、美しい女性。高校時代の恩師と結婚したものの、若くして夫に先立たれて現在はひとり身。大学受験を控えているが、自分の部屋で他の住人達に宴会をされても、強く言う事の出来ない情けない浪人生の男性。2人の関係はそこからスタートします。
管理人の女性、響子は亡くなった夫が忘れられず、もし新しく誰かを好きになってしまったら、その愛は嘘だった事になるのではないか?と思い悩みながらも、ママさんサークルのテニスサークルでコーチに言い寄られたり、後に保育士となった五代からも想いを寄せられて揺れ動きます。
いつまでも夫が忘れられず、自分の親から再婚を勧められても頑なに拒否。夫が拾って来た白犬に夫の名を名付けて可愛がる。といった執着ぶりで、だんだん五代の優しさに惹かれていくものの、「五代を好きになったら、亡くなった夫への愛が嘘だった事になるの?」という思いから自分に素直になれません。
物語の終盤、ついに五代からのプロポーズを受けて承諾しますが、後日亡くなった夫の墓参りをします。再婚するという報告と、夫に永遠の別れを告げるためです。すると何故か五代が先回りで夫の墓前に立っていて、思わず隠れてしまいました。この時、五代が口にした言葉に私は非常に感動しました。
「何度も響子さんに、あなた(夫)を忘れさせたいと思った。でも、それは出来ない。あなたはもう、響子さんの心の一部なんだ。だから僕は、あなたひっくるめて、彼女をもらいます」
この言葉です。無理やり忘れる必要なんかない。本人の心を受け入れ、尊重する。昔の出来事であっても、大切な思い出なんだから、剥ぎ取ったり奪い去る必要なんかない。自然とこの言葉を読み、涙が出そうになりました。私も響子のように、自分の全てを受け入れてくれて愛してくれる男性と巡り合いたいと思いました。