水って不思議!:『水とは何か』(上平恒)
私たちの身近にある液体と聞かれれば、ほとんどの人が水と答えるでしょう。生物が生きていく上で水は欠かせない液体です。ところが、水は科学的には極めて異例な液体なのです。『水とは何か』はこの水の特異性を科学的な視点から明らかにしていきます。
例えば、「水は固体よりも液体の方が密度が高い」「水はいちばんものを溶かす」「表面張力が極めて大きい」など、水は不思議な特性を持っていますが、この特性が解明されたのはつい最近のことなのです。まさに水は一番身近で一番不思議な液体だったのです。『水とは何か』で解き明かされる水の特殊性はとても神秘的で、「私たちは何と不思議な液体と一緒に生きているんだ」と驚きます。本書を読んでいくと、当たり前に使っている水が本当に尊いものに見えてきますし、生命が水によって支えられている奇跡を感じることができます。古代の人々が水を全ての根源とみなされていたのは、この水の神秘を体感的に知っていたからでしょう。『水とは何か』で水の神秘性を垣間見てはいかがでしょうか。