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感想・書評『水の柩:道尾秀介』ネタバレ注意「主人公は旅館の跡取り息子の中学生です」(レビュー)。 #読書


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「水の柩」 道尾秀介・著 主人公の成長物語

主人公は旅館の跡取り息子の中学生です。かわりばえのしない平凡な日常に、やりきれない思いを抱いています。
同級生の少女から、小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセルの中の作文を取り替えたいのだ、と相談されます。
そこから物語は大きく動き出します。主人公の祖母の抱える問題も絡めて、祖母の出身地が沈んでしまったダムに行くことによって、物語は展開し、おさまりがつくのです。
そこに行くまで、紆余曲折があり、主人公はいろいろな問題に巻き込まれるたびに、少しづつではあるけれど成長していきます。
様々な問題をうまく絡めて、最終的におさめていく手腕は、さすがに上手な書き手である道尾秀介の才能あふれる作品になっています。
道尾秀介の初期作品である「向日葵の咲かない夏」は、ベストセラーになりましたが、その作品に比べると格段に進歩して、深い感動を覚える仕上がりになっています。
ミステリーの要素を残しつつも、人間の情に訴え感動を与える作品です。