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感想・書評『ユングの生涯:河合隼雄』ネタバレ注意「欧米中心主義へのユングの懐疑にスポットを当てています」(レビュー)。 #読書


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ユングの生涯 河合隼雄:丁寧に描かれたユングの実像。

還暦になってカウンセリングを受け始めました。アダルトチルドレンの自覚があるからです。女性のカウンセラーと話しているうち、なぜかユングを読みたくなって来ました。フロイトについての話になったからだと思います。

私はユングをたくさん読んだ方だと思います。二十代前半です。フロイトよりユングが好きでした。今回、ユングの著書ではなく日本の心理学者が書いた本を読みたくなりました。著者はファンタジーなどについても言及した人です。著者はこの本の初めにユングの独自性について論及します。欧米中心主義へのユングの懐疑にスポットを当てています。またユング心理学は単なる知識によって理解できるものではないとし、彼の生涯を学ぶことによって「理解」できると論じます。この書の中で筆者はユングを内向的であったと推測し、のちの彼による人の内面的な世界の探求のルーツを少年期のエピソードに見ています。200ページほどの本です。フロイトの性理論に対してのユングの懐疑もこの本の構成の流れの中で良く描かれています。ユングの好きな方にはユングの生涯を通してユングの心を描いたこの本は興味がわくのではないかと思います。