コミックから入りましたが、予想以上に引き込まれてしまいました。序盤からどんどん新キャラクターが登場しますが、それぞれの過去から現在までが綿密に描かれていて、いつの間にかキャラがスッと入ってくるんです。それでいて、物語のカギになるようなストーリーはここぞという時まで明かされない。主人公のマギがよく「運命や偶然には必ず意味がある」というようなことを言います。作中ではそのことを思い知らされるんです。何気ない話の途中で、伏線と伏線がとんでもない形でつながっていき、一度も飽きることなく最後まで読むことができます。
第一巻のマギの登場シーンからは予想がつかないシリアスな場面が続くこともあります。しかし、ちょっとした合間に挟まれるギャグシーンがたまりません。あれには何度か声を出して笑わされました。
アリババやモルジアナの回では世界の黒い部分が描かれますが、黄牙一族の回では少数民族の誇り、シンドバッドの登場後はマギの世界に存在する各国の特徴が描かれ、私たちが生きている現実の世界の縮図であることを感じられます。だからつい引き込まれるのかもしれませんね。
まだまだ物語に終わりは見えませんが、日々次巻の発売日を楽しみに過ごしております。