ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

スポンサーリンク

乱反射(貫井徳郎)感想&あらすじ・「ちょっとした罪悪感」を無視しながら生活していると、大きな悲劇を…ネタバレ注意。


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

寄稿を頂きました。

乱反射/貫井徳郎

「自分一人がこれくらいしたって、別に何も変わりはしないだろう」「ちょっとだけだからいいよね」と感じることは日々の生活で多々ありますが、皆がそんな「ちょっとした罪悪感」を無視しながら生活していると、大きな悲劇を巻き起こしてしまう、それを上手く描いた小説でした。

皆それぞれ責任があるのに、自分はそんなに悪いことはしていないと思っている登場人物たちが、おしなべて不愉快でした。誰かが「ちょっとの間だけだから」と路上に車を停めて置いたら、「他の人も停めているから」と路上駐車が連なり、救急車が通れなくて誰かが命を落としたなんていうことは、実際にも十分起こり得ることです。この作品に書かれていることは、正にそんなことでした。周りの人に対する自分の無関心が、大きな悲劇を生むのではないかと、ちょっと背中が薄ら寒くになる作品でした。