ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

スポンサーリンク

信長の棺(加藤廣著)感想・書評&あらすじ・太田牛一(おおた ぎゅういち)を主人公とした歴史小説、信長の遺体はどこに…ネタバレ注意。


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

寄稿を頂きました。

信長の棺 加藤廣著

織田信長の家臣だった、太田牛一(おおた ぎゅういち)を主人公とした歴史小説である。
牛一は、『信長公記』という信長の伝記を書き残した実在の人物だが、この小説では、その伝記の執筆と共に物語が展開する。

『棺』というタイトルが示す通り、歴史上の大きな謎、“信長の遺体はどこに行ったのか”―歴史好きには堪らないこの追求が、読み手をまず引きつける。主人公の牛一もまた、小説中、一貫してこの謎に向かっていく。そこで次々と明らかになって行く陰謀・・・明智光秀の背後にいたある貴族の存在、秀吉の「中国大返し」の不審、丹波者と呼ばれた山の民たちの存在・・・。開けてはいけない箱の蓋を、ひとつひとつ剥いでいくようなスリルとスピード感があり、一気に読めてしまう。そして本能寺。その時、牛一がたどり着いた真実に、我々読者は新しい「信長」を見、「秀吉」を見、驚愕するのである。
歴史小説でありながら、サスペンスのような緊張感のある作品。なるほど、テレビドラマになったのも頷ける。