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ハーメルンに哭く笛 探偵・朱雀十五の事件簿2(藤木稟)感想&あらすじ・重たい空気感は好きな人には堪らない…ネタバレ注意。


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寄稿を頂きました。

ハーメルンに哭く笛 探偵・朱雀十五の事件簿2

まず、誰もがその美しい表紙で、つい手にとってしまうはず。
藤木稟の「朱雀十五シリーズ」第2弾。
花街・吉原に住む元検事、朱雀十五が、猟奇的な殺人事件を解決していくストーリー。

今回は、30人もの子供たちが攫われ、手足を切断された悲惨な遺体となって発見されます。相変わらず昭和初期の浅草近辺は、暗く、澱んだような日常の臭い。不気味なハーメルンの笛吹き人形が売れ、町には笛吹き男の格好をした人々が溢れ、子供達を連れ去ったというのも笛吹き男なのか?新聞記者・柏木は、また妙な縁でこの事件に巻き込まれていくのですが・・・。
いや、この重たい空気感は好きな人には堪らないですね。大正から昭和という気だるい時代に、流されまいとしつつも抗えない柏木と、その時代に生きながらも颯爽と自分の空間にいる朱雀。毒舌と機嫌の変わりっぷりには読んでても参りますが、美しいからこそ許される棘ということでしょうか。藤木さんの他シリーズもそうですが、美しい男が多いので読んでいても眼福です。