一言感想
山岡士郎にとっておばあちゃんのような存在である、おマチ婆っちゃんは田舎で鶏や野菜を自然な状態で育てる名人。
究極のメニューを手掛けるほどに味覚な敏感な山岡やゆう子にとっては、おみやげにもってきてくれる鶏や卵や野菜類はとてもありがたいものである。
ところがその弊害から真下にあるコンビニで扱っている野菜には見向きもしない山岡夫妻は、コンビニのオーナーを怒らせ、喧嘩してしまう。
謝りにきた娘さんや孫の奈津子に鶏鍋やニンジンのジュースなども平気で美味しいと飲み食いすることに驚く母親に、これがおマチ婆っちゃんの野菜の力だと少し得意そうな山岡。
数日後、山岡夫妻が帰宅すると玄関にコンビニのオーナー一家が待っていた。実は奈津子がアレルギー疾患で入院してしまい、ニンジンジュースが飲みたいと言うのだが、市販のものでは駄目だったのだ。
おマチ婆っちゃんのニンジンジュースや鶏鍋を美味しそうに食べる姿に、農薬の怖さだけではなく、不味さを痛感したオーナーはなんとか無農薬を取り入れようと決めるのだった。
作品に関する思い出。
実際に無農薬の野菜がいいのは分かっていても、コストの問題などから農薬を頼らざるを得ないし、食べるのも難しい。
当時は無農薬のものが味まで変えるのかと考えてしまっていましたが、最近ふとしたことから無農薬のものを少し食べる機会が増え、改めてなるほどと思いました。
- 美味しんぼ(文庫本)35巻
- 第5話 鶏の味、ニンジンの味
- 作:雁屋哲 画:花咲アキラ