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感想・書評『橋本治:人はなぜ「美しい」がわかるのか』ネタバレ注意「違いは何なのかということを様々な例を用いながら説明」(レビュー)。 #読書


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橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』を読んでみて…。

人によって異なる、「美しい」という感覚。同じものでも「美しい」と感じる人と、「美しい」と感じない人といますが、その違いは何なのかということを様々な例を用いながら説明しています。「美しい」というものは、必ずしも理屈で説明できるものではないし、なぜ「美しいのか」と問われたら、上手くは説明できない人がほとんどだと思います。

つまり「美しい」という言葉は合理的とはいえない、語義を計り知れない複雑な言葉なのだなと考えさせられました。なぜなら、それは直感的に捉えているものだからです。それでは、「美しい」という言葉は共通語として成立するのかどうかも踏まえて書かれていて、とても面白いなと思いました。
また男に用いる「美しい」という言葉のあり方や「美しい」に似た言葉、「かっこいい」や「うるはし」との違いなども興味深く読ませて頂きました。最後は今まで様々な文学に精通している作者らしく、古典文学における「美しさ」と絡めてまとめられているのが読み応えがありました。