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感想・書評『そして最後にヒトが残った: ネアンデルタール人と私たちの50万年史 著 クライブ・フィンレイソン』ネタバレ注意「非常に重要な考え方を提示」(レビュー)。 #読書


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そして最後にヒトが残った: ネアンデルタール人と私たちの50万年史 著 クライブ・フィンレイソン

この著書は分量が多く学術図書ということで記憶力も要求され、読み切るのは大変でそれなりの時間がかかった。しかし、人類にとって非常に重要な考え方を提示してくれていると感じた。

生物学者である筆者が書いたこの本は、内容は考古学であるが他とは違う視点から書かれているため、理解しやすいものだった。自分達の人類が繁栄してきた道のりに対する誤解の多さにも気付かされた。特に「コンサバティブ」と「イノベーター」の考え方には衝撃を受けた。弱い者が生き残る場合があるという考え方は持ち合わせていなかったからだ。この本はそういった様々な固定概念を打ち破ってくれたと思う。不十分な証拠を元にそれらしい説を立証しようとすることの危険性にも気付かされたし、考古学に対する遺伝学の重要性も痛感した。筆者は自分達の地位に陶酔し、歴史も自分本位に読み換え、完全なコンサバテイブに成り下がった私達現生人類へ警告をしているのではないだろうか。