2年前に引退した元広島カープの黒田博樹投手の著書です。
高校時代は控え投手であり、大学でも遅咲きだった黒田氏が広島東洋カープに入団し、エースとなって広島の投手陣を引っ張っていく中で感じたこと、またフリーエージェント制度を手にしながらも1年間残留し、その後メジャーに挑戦してドジャースでの選手との出会いやヤンキースに移籍するまでの経緯を語ってくれています。更に20億円を超えるオファーを受けながら、その契約を断って広島東洋カープへの復帰を決断した理由やファンに対する思いについても書かれています。引退するまでの数年はシーズンオフになるたびに、苦悩や葛藤の連続だった事が伺え、契約金などの条件面とは全く違った部分を大切し、ファンのために決断した姿は大変胸を打つものがありました。何かを決める事、信念を持って進むことが容易いことではないということ、そして何を大切にすれば良いのかということを教えてくれるような本だと思います。