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感想・書評「中世ヨーロッパの武術・著者:長田龍太」ネタバレ注意・忘れられた西洋武術の歴史を堪能(レビュー)。 #読書


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中世ヨーロッパの武術 著者:長田龍太 忘れられた西洋武術の歴史を堪能

中世ヨーロッパの戦闘教本をまとめた本です。現代日本においては全く役に立たない本といえるでしょう。それこそ、核兵器が降った後の世紀末世界かゾンビがわんさと出てくるような世界でないと日の目の出ないものだと思います。

ただ、読んでみるとなかなか興味深いです。西洋で剣や槍を使った戦い方というと、体格のいい人間が力任せにやっていたようなイメージですが、実際には12世紀ごろから武術を教える教室があったそうです。ただ、西洋では常に戦争が起こっていたことで兵器の進化が早く、日本のように武術が文化の一つとして根付く前に次々と新しい武器が誕生した結果、最終的に銃火器にすべて変わってしまったそうです。各武器、各流派にそれぞれ独自の型や足運びがあるのは日本の武術と同じですが、日本と違う点は15世紀ごろから科学的、数学的なアプローチが取られている点です。実に合理的ですが、実用性を求めすぎたため銃器の誕生後に衰退し、娯楽や文化としても残らなかった一因であるように思えます。歴史に埋もれてしまった知識として当時の人々の生活に思いをはせて読むのも良いし、ファンタジー小説を読んだ際になんとなく妄想するのも良いと思います。