ナカノ実験室

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感想・書評・佐々木譲さんの英龍伝という本を読んで感動しました。ネタバレ注意「表紙のデザインが馬に乗ったサムライの姿だったからです」(レビュー)。 #読書


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題名を見た時に、時代もんだなと思いました、 表紙のデザインが馬に乗ったサムライの姿だったからです。
実際に中身は幕末の、それも江戸の鎖国から、浦賀にアメリカ艦隊のペリー提督がやってきて、ようやく長い鎖国から日本が開国するまでの間に、韮山の代官としての職務を果たしていた江川英龍という人の、幕末における、あくまでも歴史の上では目立っていない人物の活躍の物語です。
今日、アルバイトの帰りの電車の中で読み終えました。
もしこの人が55歳という若さで亡くならなかったら、勝海舟や坂本龍馬や、 吉田松陰をしのぐ有名な人になっていたでしょう。
そして江戸から明治に入って、日本の政府の中枢で活躍する人物になっていたことは間違いないと思います。

アメリカのペルーが、当時の江戸に開国を迫った時に、この栄龍がいなかったら多分江戸は戦争になり、あの歴史上有名なアヘン戦争でイギリスに負けた中国のように、列強に思う存分蹂躙され、当時のロシアやアメリカイギリスポルトガルオランダに適当に分解されてしまっていただろうと思います。

そういったリスクは太平洋戦争終結にもありましたが、 現在の日本はそのような形にならなくて一つの国として存在しています。

その時代時代に生まれた傑物と言うか逸材と言うか、天が与えたもうた指名によって動かされる人間が存在したというか、なんとも表現のしようがありません 。

まさしくこの人がいなかったら日本は駄目になっていたでしょう。
それと同時に、この人のように未来を描く想像力と言うか、夢を見ると言うか、将来を見据えた行動なり、勉強なり研究になりを行うということがいかに大切かということを心から感じました。

鎖国と言う、愚かな行為だったと思いますが、まかり間違えば、自分自身の首が飛ぶ、いや命がなくなる、そして家族が罪に問われ断罪に処せられる。
そんな状況の中で、自分の考えを堂々と述べ、潰されても潰されても何度でも自分の意見具申を行う、そんなすごい人の生き様を見させていただきました。

この本を読むまで、韮山のあのすごい製鉄炉 のことはあまり関心がありませんでした。

でも十分な知識もなく、すごい技術も無い時代に、昨今世界遺産に登録された韮山の製鉄炉を作った背景画よくわかりました。

十分に銃を作る技術も無い時代に、ライカン式の短銃をこの日本で作るなんて、凄いことだし、歴史上有名なあの悪名高き鳥居耀蔵と 対に張張り合ったのは素晴らしいことですし、鳥居耀蔵の器の小ささにあきれ返りました。
会社の上司にこんなタイプが必ずと言っていいほどいますね!