ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

スポンサーリンク

感想・書評『「殺人犯はそこにいる」著者 清水潔』ネタバレ注意「北関東幼女連続殺人事件をもとにしたノンフィクション」(レビュー)。 #読書


【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

本書の冒頭に「これは小説ではない。事実だ。」とあるように、この本は実際に起きた「北関東幼女連続殺人事件」をもとにしたノンフィクションである。
恥ずかしながら私はこの事件をほとんど知らずにこの本を手に取りましたが、このような悲惨な事件が同地域で短期間に起きている事や犯人がまだ捕まっていないという事実に非常に驚きました。調査報道の凄さや警察のずさんさ、日本の縦社会の弊害など様々な問題を提起したこの本が、様々な権威ある賞を取ったのも当然だと思うし、皆にこの真実を知ってもらいたいと心から感じた本です。
本書でカギになるのは知っている人も多い「足利事件」という日本史に残る冤罪事件で、菅谷さんの無実を晴らす事が真犯人の逮捕につながると考え、筆者の清水さんが記者魂で執念の捜査をし、ついに無実を勝ち取ります。
そこにたどり着くまでの涙ぐましい努力とジャーナリズム魂には本当に頭が下がります。警察側ではない一端の記者が事件の真相にいち早く気づき、右往左往して冤罪を晴らしたという功績は一人の人間として称賛を送らないわけにはいきません。
ノンフィクションですが、真犯人と言われる「ルパン」に記者が迫るシーンでは小説以上の迫力と衝撃が走りました。
こんな作品にはなかなか出会わないので、本屋などで見かけたら必ず手にとって欲しい一冊です。