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風と共に去りぬ[感想・書評]永遠のラブロマンス、スカーレット・オハラは実は物語りの中では…ネタバレ注意。


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※こちらの記事は、在宅ワークで寄稿を募集した小説感想記事です。

永遠のラブロマンス、「風と共に去りぬ」

小説・映画のヒロインとしてこれほど有名な女性はいないだろうと私が思っている主人公・スカーレット・オハラ。おそらく英語を勉強している、特に女性なら一度は読んだことのある人も多いと思うお話です。

主人公のスカーレットは「美人」と思われていますが、実は物語りの中では一度も美人として描かれてはいません。むしろ美しいというよりも印象的な顔立ちで、とくにエメラルド・グリーンの瞳が表情豊かな女性として描かれています。それでも美人という印象を持たれるのは、彼女の底抜けのタフな気質と抜群の行動力によるものだと思います。

この物語が書かれた時代には、女性はあくまでも控え目に・しとやかであるべきであって男性がどれほど自分よりも知性・教養が優れていなくとも常に賞賛しなければならない、自分のほうがすごいということをみせてはいけないという時代でした。それなのに、男性顔負けのビジネスの才能と行動力を示すスカーレットはまさしく時代を先取りしすぎた女性像です。

登場人物でスカーレットと対比して描かれているメラニーはまさしく古き良き時代の理想的な女性像なのですが、それだけではないスカーレットとは違う静かなタフネスを感じます。やっぱりいつの時代も本当にタフなのは女性かもしれません。

理解するためには読者のほうもある程度の年齢を重ね、いろいろな経験を積むべきかもしれませんが、泣いて運命をあきらめて助けを待っているばかりではいけないのです。自分のやり方で運を切り開いていくべきなのだということを教えてくれる物語だと思います。

この物語りの素晴らしいところは、何回読んでも面白くそして読むたびに読者自身の成長度合いにより感想が変わる所だと思います。

作者のミッチェルがどんなに頼まれても続編を書かなかったのは、スカーレットとレットの愛の行方は読者の人生の経験による知識にまかせるという気持ちがあったのかもしれないと思います。