寄稿頂きました。
封神演義 作者:藤崎竜
相も変わらず飄々としている主人公・太公望の姿には最終回らしい特別さはなく、しかしそれがとても彼らしくて、微笑んでしまうような涙が出てしまうような、安心と切なさが綯い交ぜの気持ちになりました。
そして、そういう太公望らしさが表されながらも、まだ未熟だった最初の頃の太公望と、全てを受け止めた静かな強さを持つ今の太公望との対比を思わせるようなシーンがあったりもして、やられた!というような気持ちになります。
最後のシーンでは、歴史に基づいたファンタジーであるこの作品らしい壮大さ、そしてその壮大な物語がとうとう終結したのだという寂しさが感じられました。ほっとしたけれども、背中の辺りにちょっとした寂しさを覚えるというような感覚です。
封神演義は初めて自分で買うほどに嵌った漫画だったので、とても強い思い入れがあります。長い戦いを終えて、本当にお疲れ様、と言いたい気持ちになりました。