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闇が深く暗い底から一筋の光を掴みたい、でも掴めない絶望・感想・書評『贖罪:湊かなえ』ネタバレ注意(レビュー)。 #読書


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【贖罪】湊かなえ「償いとは…」

人気作家の湊かなえさんの【贖罪】
4人の女性と1組の親子のお話です。
長々と綴られた手紙。それはある夏に4人の友人たちのすぐそばで殺されてしまった少女の母親に向けられた「償い」の手紙。
友人たちは犯人の顔を見ていたはずなのに全員思い出すことが出来ませんでした。
そして事件が迷宮入りした頃に殺された少女の母親は4人にこう告げます。
「あなた達を絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それが出来ないのなら私が納得できる償いをしなさい。」

湊かなえさんの作品は【告白】【少女】と拝読してきましたが、この【贖罪】もページを捲る手が止まりませんでした。
どの作品も暗く、とても闇が深いです。闇が深く暗い底から一筋の光を掴みたい、でも掴めない絶望。
そんな絶望なのにどこかに優しさが必ず隠れていて、かと言ってその優しさは救ってくれるわけでもない。
言葉にすると難しいのですが、作中の言葉遣いのセンスや幼少期の楽しい思い出の雰囲気作りが絶妙です。
個性豊かな登場人物が自分の幼少期と重なるような気にもなります。
ミステリー好きな方もミステリー初心者の方にもおすすめです。