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感想・書評『残穢 〜住んではいけない部屋:小野不由美』ネタバレ注意「映画を観た後、原作小説があると知り、この本を手に取った」(レビュー)。 #読書


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残穢 〜住んではいけない部屋〜

映画にもなった小野不由美さんの残穢。私は映画を観た後、原作小説があると知り、この本を手に取った。というのも、映画だと次々と発覚していく出来事に対して、自分の中で消化出来ないまま物語が進んてしまった為、もう一度この物語の中で起きている不可解な出来事をじっくり味わいたいと思ったからである。
物語は一つの怪異から始まる。
住んでいる部屋で何か畳をするような音がする、というものだ。怪談として聞けばよく聞くたいして怖くない話の一つである。しかし、この出来事をきっかけとし、主人公にあたるこの怪異の相談に乗る怪談作家、実際の体験者、そしてこの『部屋』に纏わる過去の人々のなんとも言えない奇妙な繋がりが、物語を面白く、そして気味悪くしていく。読んだ後は、映画のシーンとも照らし合わしながら非常に後味の悪い、嫌な気持ちになった。
ちょうど個人的に新しい住居を探しているタイミングで、この小説を読んでしまったので、部屋を決めるハードルが一気にあがってしまった。部屋を探そうかな、と少しでも思っている人は読まない方がいいかもしれない。