ナカノ実験室

ナカノ実験室が行う実験的なブログです。

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感想・書評「さよなら、田中さん」 鈴木るりか・著・ネタバレ注意「主人公である小学6年生、田中花実ちゃん」(レビュー)。 #読書

中学生作家誕生という話題性に惹かれて手に取ったのですが、子どもが書いた作品だという先入観を持たずに読んでみたかった、と少し後悔しました。作者の年齢を加味せずとも見事な構成と文章力で、たくさん笑ってたくさん泣かされました。

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感想・書評『シェイクスピアを盗め! ゲアリー・ブラックウッド』ネタバレ注意「ウィッジが引き取られた先は、速記術を発明したブライト博士のお家だった」(レビュー)。 #読書

シェイクスピアを盗め! ゲアリー・ブラックウッド ウィッジの本当の拠り所

孤児院育ちのウィッジが引き取られた先は、速記術を発明したブライト博士のお家だった。ある日、ウィッジとブライト博士の二人でいるところに怪しげな男がやって来た。その男はブライト博士の著書をもとにその場にやって来たという。彼の目的はブライト博士が発明した速記術は本当に身に付けられるかどうかということだった。

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感想・書評『胡蝶殺し:近藤史恵・著』ネタバレ注意「歌舞伎役者の父親を亡くした少年の、後見人になる「市川萩太郎」です」(レビュー)。 #読書

「胡蝶殺し」 近藤史恵・著 歌舞伎の世界の物語

幼くして歌舞伎役者の父親を亡くした少年の、後見人になる「市川萩太郎」です。「萩太郎」の息子と、預かる少年は同い年です。

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感想・書評『みかづき 森絵都』ネタバレ注意「受験戦争、学歴社会の裏側にある本当に大切なものは一体なんだ!」(レビュー)。 #読書

みかづき 森絵都 勉強好きになってかもしれない

私の好きな作家は森絵都さんです。彼女の書くストーリーはいつもどこか切なく、考えさせられる中身なので、考えて読むのが好きな私は、毎回新作を楽しみしています。

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感想・書評『ストックホルムの密使:佐々木譲』ネタバレ注意「太平洋戦争、この情報が東京に伝われば原爆投下は避けることが出来た?」(レビュー)。 #読書

「ストックホルムの密使」佐々木譲 太平洋戦争、この情報が東京に伝われば原爆投下は避けることが出来た?

『1945年、ストックホルムの海軍駐在武官大和田は「ソ連が日本に宣戦する。アメリカが原子爆弾の開発に成功、日本に使用する」という極秘情報を手に入れた。大至急この情報を東京に伝えて戦争を講和により終結しなければ日本が壊滅してしまう。

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感想・書評『謎解きはスープの冷めるまえに:コニーアーチャー』ネタバレ注意「アメリカ、スキーリゾート地である小さな村の老舗のスープがメインのレストランで殺人事件」(レビュー)。 #読書

「謎解きはスープの冷める前に」コニーアーチャー

現代のアメリカ、スキーリゾート地である小さな村の老舗のスープがメインのレストランで殺人事件が起きる。

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感想・書評『あやかし〈妖怪〉時代小説傑作選  宮部みゆき 畠中恵 木内昇 小松エメル 霜島ケイ 折口真喜子』ネタバレ注意「書き下しかと思ったのですが、全て再収録」(レビュー)。 #読書

あやかし〈妖怪〉時代小説傑作選  宮部みゆき 畠中恵 木内昇 小松エメル 霜島ケイ 折口真喜子

〈妖怪〉時代小説傑作選というタイトルに惹かれて手に取ってみました。書き下しかと思ったのですが、全て再収録みたいです。大御所の宮部みゆきさんと畠中恵さんのは既に読んでいます。霜島ケイさんが時代小説を書いていたのは知っていましたが読んだことがありませんし、小松エメルさんのうわんはタイトルは知っていたのですが読んでいませんので買ってみました。

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感想・書評『龍馬を守った新撰組 禁断の幕末維新史』ネタバレ注意「清河八郎や近藤勇については、かなり掘り下げてある」(レビュー)。 #読書

龍馬を守った新撰組 禁断の幕末維新史

まず、最初にタイトルに惹かれた。新選組が龍馬を守る?龍馬暗殺の犯人と言われることもある新選組が?
という訳で、本書を手に取ったが、新選組の母体が江戸で結成された話から上洛するまでの話が延々と続く。清河八郎や近藤勇については、かなり掘り下げてある。

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感想・書評『土井徹先生の診療事件簿:五十嵐貴久・著』ネタバレ注意「主人公は、殉職警察官を父に持つ「玲子」さんです」(レビュー)。 #読書

「土井徹先生の診療事件簿」 五十嵐貴久・著

主人公は、殉職警察官を父に持つ「玲子」さんです。24歳にして、警察署の副署長です。キャリアなのですね。

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感想・書評『Aではない君と・薬丸岳』ネタバレ注意「少年犯罪に関する事柄をテーマを元に読みやすく、それでいて最後まで」(レビュー)。 #読書

【Aではない君と】【薬丸 岳】

もともと薬丸岳さんが書く小説が好きだったのですが、今回も期待にそぐわない小説でした。いつもながらの少年犯罪に関する事柄をテーマを元に読みやすく、それでいて最後までどうなっていくのか、読み手の想像を超えてくるストーリーとなっていて一気に読みきることができました。

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感想・書評『四色の藍:西條奈加・著』ネタバレ注意「紺屋の女将が主人公です。亭主が殺された事件の真相を探る」(レビュー)。 #読書

「四色の藍」(よしきのあい) 西條奈加・著

紺屋の女将が主人公です。亭主が殺された事件の真相を探るべく、動き出しました。二人の女性を仲間にして、自らいろいろと、探っていきます。
藍の産地から、江戸へ仇討ちに出てきた若いお侍も加わります。どうやらそれぞれの敵が、近い関係にあるらしい・・

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感想・書評『極卵:仙川環』ネタバレ注意「自然食品の店で、一個250円の高級卵「極卵」が売られていました」(レビュー)。 #読書

「極卵」仙川環 読み出したら止まらない一冊です

初めて読む作家さんでした。舞台は東京都の吉祥寺です。住みたい街ナンバーワンにも輝いたことのある人気の住宅地です。無農薬や有機栽培の野菜などを売る自然食品の店で、一個250円の高級卵「極卵」が売られていました。その卵から食中毒が発生するという事件が起こります。

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感想・書評『葬儀の日:松浦理英子』ネタバレ注意「一行目からその文章の魅力に惹かれていた」(レビュー)。 #読書

【葬儀の日】【松浦理英子】才能について

松浦理英子著、「葬儀の日」を読んだのだけど、一行目からその文章の魅力に惹かれていた。
文学的な文章に感じられながらも、その意味が捉えられ辛さが、魅力になっている。なき女と笑い女、二人に他者が仕事の時だけながら、濃密(と言わざるを得ないのがおもしろい)な関係が読んでいて嫉妬せざるを得ない。そしてその才能さえも一つの時代背景があるからのような、客観的な諦観もまた、魅力的だ。

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感想・書評『円城塔:道化師の蝶』ネタバレ注意「シュルレアリズムは現代にかなりアピールできる内容なのだ」(レビュー)。 #読書

円城塔「道化師の蝶」戯れの未来文学

円城塔と云えば、シュルレアリズムをSFや文学とつなげて現代に蘇らせた、文学の錬金術師の観がある。
その円城塔は伊藤計劃が残した原作をもとに正統派ヴァンパイア小説「屍者の帝国」を描いたりしている。一方芥川賞を受賞するなど、純文学の分野でも新進気鋭の作家として活躍をしている。

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感想・書評『壺中の回廊:松井今朝子・著』ネタバレ注意「歌舞伎役者が殺される」(レビュー)。 #読書

「壺中の回廊」 松井今朝子・著 歌舞伎役者が殺される。

昭和5年の歌舞伎座で、「忠臣蔵」の上演中に、花形役者が、毒殺されます。好物のどら焼きの中に、毒が仕込んでありました。

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