ナカノ実験室

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感想・書評「かがみの孤城」 辻村深月・著・ネタバレ注意「2018年の本屋大賞に選ばれ話題となった作品」(レビュー)。 #読書


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2018年の本屋大賞に選ばれ話題となった作品です。ミステリー作家というイメージの強い辻村深月さんですが、これはファンタジー要素の強い物語でした。
主人公である中学一年のこころは、ある出来事をきっかけに学校へ行けなくなります。繊細でおとなしいタイプのこころの心理描写が素晴らしくて、私は宮部みゆきさんを思い出しました。中学生の気持ちをあそこまで寄り添って描ける作家さんは、なかなかいないと思います。
学校が全てだと思い込み狭い世界で生きていたこころが、不登校になってしまったことで味わった絶望感は相当なものだったでしょう。しかしかがみの中で出会った友達との一年間の交流によって、どんどんこころの世界が広がっていく、その生き生きとした希望に胸が熱くなります。
リオンの願いを知り、自分がいかにちっぽけだったかをこころが思い知る場面、そしてラストでこころが再び萌ちゃんと口をきく場面で泣きました。色んな人間がいるこの世の中で負けないで生きていこうと誓うこころに自分自身が重なって、とても考えさせられる一冊でした。