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夏のおとぎばなし(もちづきゆきみ)感想&あらすじ・小学4年生の比奈子は、母の出産のため、夏休みの間親戚のいる田舎に…ネタバレ注意。


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  • 夏のおとぎばなし

一言感想

都会っ子が田舎で世界を広げるひと夏

面白いところ。

大都会東京でワガママいっぱい甘やかされて育った小学4年生の比奈子は、母の出産のため、夏休みの間親戚のいる田舎に預けられることになった。
完全なる都会っ子の比奈子は、テレビもなければ何もない、典型的な田舎が嫌で仕方がなかった。
早く家に帰りたい、ママに会いたい、お腹のあかちゃんなんか大嫌いと思いながらも、そこで出会った親戚の浩司や、その母親・ちひろやおじちゃんおばちゃんと過ごし、広大な自然に育まれ心が成長させていく…というお話です。

全体的に明るい話とは言えないのですが、今まで独占していた母を新しく生まれる兄弟にとられてしまう葛藤や、今まで手伝いひとつしたことのない自分のことを考えるようになったり、浩司やちひろを交えた話は不思議な形で心に響きます。
特に印象的だったのが、浩司が本当は妹がいて、その妹は母・ちひろのお腹の中からいつの間にかいなくなっていた。
きっと、窮屈なお腹の中から抜け出して、天井裏や庭で遊んでる。だから時々夜そこにいるんじゃないかと思って振り返ってみることがあるという場面から家に帰ることになるラストまでです。
いつも明るい浩司の隠れた部分や、ちひろが初対面の比奈子にたくさんの服を作ってあげる理由、比奈子の心が大人になっていく瞬間もとても良かったです。
最後、比奈子が今までいくら作ってもらっても着なかった服を着る姿や、ちひろが作った服を着た比奈子を見て笑みをこぼす姿は、言葉はしっかりと語られていないのですが、絵を見るだけでしっかりと心で理解できるお話でした。