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プリズンホテル(浅田次郎)感想・書評&あらすじ・任客である大親分が、温泉旅館「あじさいホテル」を経営することに…ネタバレ注意。


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寄稿を頂きました。

プリズンホテル

夏・秋・冬・春と続く四部作。直木賞作家、浅田次郎氏の同名小説です。
その世界では超大物の任客である大親分が、とあるきっかけで温泉旅館「あじさいホテル」を経営することに。任侠団体専用のホテルなのですが、その筋とは知らずにたまに間違って堅気の衆がご宿泊。さらに、オーナー親分の甥っ子で、小説家の主人公がストーリーに絡んできます。

ハチャメチャな設定にも関わらず、そのままドタバタで終わらないのがこの作品の優れたところです。
ヤクザ映画のような血なまぐささもなく、想定外の話の展開に大爆笑、それでいて人情味があり、きちっと話の流れをしめてくれる。笑ったあとにホロリとさせてくれるあたりにも嫌味がなく、これぞ大人の人情爆笑劇場、と、個人的に高評価な作品です。
一部好きなシーンを抜粋。主人公、木戸孝之介が自宅にいる継母に、(原稿の)ファックスをホテルに送るよう電話で頼むと、宅配便にてファックス(機器)がそのまま送られてくる。うまい!と、思わず心の中で唸りました。
一般的によく知られている「鉄道員」とはまったく異なった雰囲気ですが、個人的には、これぞまさに氏の世界。ストーリーに弛みがなく、グイグイと引き込まれます。何度よんでも楽しめる数少ない大衆小説だと思いますよ。